ある物件で自治体と
制震装置について見解がわかれ、確認資料提出や研究所の方の説明などで
1か月もかかってしまいました。
施主様には大変ご心配をかけました。
地震などの災害について非常に関心の高まっている近頃
国の認定制度や検査方法などの遅れについても色々解ってきました。
今回の物件で使用するのはこんな形の制震装置です。
簡単にいうとダンパ-の様な装置で地震が来ると
建物自体の揺れをバネの様に減らし
メ-カ-の研究では50%揺れを減少させるとの事!
建築基準法では
壁量(筋交いなど)で建物を固め強くしますが
制震などについての評価規定はまだありません!
取付け業者さんからは規定がないので
『建築基準法を満たした建物を造り、その上に法上は評価されない制震装置を
自主的に安心のため付ける』という事で
多くに自治体で実績があり、商品としては何百棟も建てている。
住宅メ-カ-の制震住宅でも多く採用されている。
との事で、資料など確認の上採用しました。
しかし、その自治体が指摘してきたのは
国で評価の方法が定められていないのなら、有利に判断するどころか
逆に『制震装置がついたことにより建築構造になんらかの危害が及ぶ事はない
という根拠を出しなさい』ということでした。
こんな事では,制震装置も復旧しにくいですし
建築の耐震化も進まないのではないか??
メ-カ-.開発研究所の方に国土交通省までいってもらい
研究資料提出.他の自治体での対応状況報告
認定方法について話してもらい。
国の助言を持って,その自治体とは話が折り合いました。
解ってきた事は日本の耐震.制震の評価法認定の遅れでした。
地震は、急にグラッときますよね!
しかし、現状の認定試験はぎゅ~とゆっくり力をかけて
壊れ方を評価認定しています。
動的試験と静的試験の違いがあるそうです。
昔は一気に力をかけて破壊試験を行える様な装置も設備もなかったので
その頃からの試験方法がつずいているらしい。
制震装置はバネの様な物なので一気に押されれば,対抗するが
ゆっくり押せばある程度までは押されてしまい。
その為,現状では有利に働いているという評価自体が出来ないそうです。
国や自治体も各開発メ-カ-に遅れない様に
研究して頂き、耐震.制震.免震.を含んだ評価システムを整備して頂きたい。
また、補助金なども出して頂ければ
日本の建築の耐震化が急ピッチに進むのではないでしょうか??